賃貸に住むなら必ず加入を!「借家人賠償責任保険」とは?

賃貸住宅の火災保険は、家財補償、借家人賠償責任補償、個人賠償責任補償の3つの保険がセットになっていることがほとんどです。中でも重要なのが「借家人賠償責任保険」。なぜ賃貸の火災保険で加入が強制されるのかも含めて知っておきましょう。

借家人賠償責任保険とは

借家人賠償責任保険とは、借主(入居者)が大家さんに対する損害賠償責任を負ったときにそれを補償する保険です。では大家さんに対する損害賠償責任とは何でしょうか?
賃貸借契約では、借主は契約終了後に借りている部屋を元の状態に戻して大家さんに返す義務を負っています。もし借主が火事などを起こしてしまい建物に損傷を与えた場合には、これを元通りに修復して大家さんに返還しなければならず、これができない場合には民法415条により、債務不履行責任による損害賠償責任を負うことになります。
このような、借主が大家さんに対して損害賠償責任を負う事態に備えて加入するが借家人賠償責任保険です。

借家人賠償責任保険が強制となる理由

賃貸借契約を結ぶときには、ほとんどの場合借家人賠償責任保険への加入が義務付けられています。賃貸住宅では、火事などの大きな事故だけでなく、漏水や破損などの事故も多く発生します。もし事故が発生すれば建物に何らかの損害が及ぶことも少なくなく、元通りに修復するには多大な費用がかかります。もし保険に加入していなければ、借主は自費でその費用を負担するしかありません。借主の負担で修復ができればまだよいですが、借主にお金がない場合には、大家さんが泣き寝入りせざるを得ず、大きな損害を被ることになります。そのため、賃貸の契約時には必ず借家人賠償責任保険に加入することが求められるわけです。

借家人賠償責任保険の支払い事例

では実際に借家人賠償責任保険が適用された事故にはどのようなものがあるのでしょうか。
2017年の当社のデータによると、借家人賠償責任保険が適用された件数は109件、その内訳は、漏水が最も多く83件、次に火災13件と続きます。1件あたりの支払額は、平均約40万円ですが、火災に限れば150万円を超えています。
このように、万一事故が発生すれば自分自身の家財だけでなく、大家さんに対する多額の賠償も発生しますので、借家人賠償責任保険には必ず加入しましょう。

まとめ

  1. 借家人賠償責任保険とは、大家さんに対する損害賠償責任を補償する保険
  2. 事故発生時に確実に建物の修復ができるよう加入が強制されていることが多い
  3. 借家人賠償責任保険の適用は多いのは「漏水」と「火災」
  4. 支払額は平均40万円。火災に限れば150万円を超える