10年使った家具の補償額はどうなる?火災保険の「新価実損払い」とは

火災保険では、万一の事故が発生した場合、損害に対して補償が支払われます。しかしその補償額はどのように決められるのでしょうか?保険における「時価」と「新価」について知っておきましょう。

保険における「時価」と「新価」の違いとは

一般的にモノの価値は年数の経過とともに減っていきます。これを減価といいます。
例えば10年で価値がゼロになる家具があるとしましょう。仮に1年に10%ずつ減価すると考えると、5年経過時にこの家具の価値は購入時の50%となります。10万円で買った家具なら、5年経過時の価値は5万円ということになります。これを「時価」といいます。
一方で、同程度の家具を新たに購入する場合には購入時と同じ10万円が必要になります。この価額を「新価」(再調達価額ともいう)といいます。
では、何らかの事故が発生し損害を受けた場合に、火災保険で補償されるのは「時価」「新価」どちらになるのでしょうか。

ほとんどの火災保険は「新価」による補償が受けられる

当社の賃貸入居者総合保険「ハッピーワン」をはじめ、ほとんどの火災保険は「新価」で補償が受けられます。これを「新価実損払い」と言います。家具などのモノではなく、修理費用などにおいても同様に、減価分を考慮せず、実際にかかった費用をベースに補償が受けられるようになっています。
もし「時価」でしか補償が受けられないとすると、新しく家財を揃えるために足りない分を自費で補填しなければなりません。そのような不都合が起こらないように、新価実損払いになっているのです。

新価実損払いの例外

前述のように、ほとんどの火災保険は新価実損払いに対応していますが、貴金属・宝石・美術品等については例外的に「時価」になります。

まとめ

  1. 一般的にモノの価額は年数の経過とともに減少していく(減価)
  2. 年数の経過による減価分を差し引いた価額を「時価」、同等品を新たに購入する場合の価額を「新価」(再調達価額)という
  3. ほとんどの火災保険は「新価」での補償が前提となっている
  4. 例外的に貴金属・宝石・美術品等は「時価」での補償となる