解約していないのに火災保険の契約が終了してしまう3つのケース

火災(家財)保険は、一般的に契約期間の満了、または加入者から保険会社に「解約」の手続きをすることで終了します。
しかし、場合によっては保険会社から契約を打ち切られてしまうこともあります。どのようなケースで契約が打ち切られてしまうのでしょうか。

なぜ保険会社が契約を打ち切れるのか

保険契約には、例えば火災保険において建物に自ら放火して保険金を取得しようとするなど、不正な保険金請求を行う危険(モラルリスク)が潜んでいます。このような危険を回避するために保険会社は契約そのものを解除する場合があります。また、保険料の支払いが滞ったりした場合には、当然に契約の効力は失われてしまいます。詳しく見ていきましょう。

保険会社による解除

保険会社から契約を解除(解約)されるのは以下のような場合です。

①告知義務違反

契約の際、告知事項について、故意または重大な過失によって事実を告げなかった場合、または事実と異なることを告げた場合。

②保険契約の引受範囲を超えることとなった場合

保険会社は契約期間中であっても、契約者や対象となる物件など何らかの変更により保険の引受範囲を超えることとなった場合には、契約を解除することができます。

③重大事由による解除

保険契約者等が、故意に事故を発生させようとしたり、保険金の請求について詐欺を行おうとしたりした場合、また契約者が反社会的勢力に該当すると認められた場合などは、重大事由による解除が認められます。

保険契約の失効

保険契約の失効とは契約期間中に保険契約がその効力を失うことです。したがって失効前の契約は有効ということになります。保険が失効する可能性があるのは以下のような場合です。

①保険の対象の全部が消滅したとき

建物の全焼などにより、保険の対象となる家財等が消滅した場合には保険は失効します。

②保険料の払込がされなかった場合

保険料が払込期日までに支払われなかった場合(払込猶予期間の設定がある場合はその期間を経過してもなお支払われなかった場合)には、その保険契約は失効します。

保険契約の無効

無効とは、保険契約がなかったものとみなされることです。解除や失効はそれまでの期間の契約は有効であるのに対し、無効の場合は契約時にさかのぼってなかったことになります。無効となるのは以下のようなケースです。

①保険金を不法に取得する目的または第三者に保険金を不法に取得させる目的をもって保険契約したとき

保険を悪用し、保険金をだまし取ろうとする行為は重大なモラルリスクとなりますので、契約そのものが無効になります。

まとめ

  1. 火災保険は保険会社が契約を終了するケースもあり得る
  2. 保険会社からの契約終了は「解除」「失効」「無効」の3つ
  3. 解除と失効はそれまでの契約は有効だが、無効は契約時にさかのぼる