賃貸の火災保険の契約名義は誰にするのが正解?

賃貸住宅を借りるときには必ず加入することになる火災保険。
その名義は誰にするべきなのでしょうか?保険には「契約者」と「被保険者」という関係があることを知っておきましょう。

保険の契約者と被保険者とは

火災保険に限らず、保険には必ず「契約者」と「被保険者」という関係があります。当社の賃貸入居者総合保険ハッピーワンでは、約款上「契約者」とは以下のように定義されます。

保険契約の申込みをする者であって、この保険契約が成立すれば、保険料の支払義務を負うこととなる者

つまり、保険契約の主体者であり、保険料を支払う人ということになります。

一方「被保険者」とは、以下のように定義されます。

借用戸室に居住する次の者をいいます。
①保険証券等記載の被保険者
②生活の本拠として借用戸室に①の被保険者と同居する者

つまり実際に借りた部屋(借用戸室)に住む人とその同居人で保険の対象となる人のことです。
賃貸の火災保険では、契約者と被保険者は同一人物とすることが多く、賃貸借契約上の賃借人(=部屋の借主)とも同一とするケースがほとんどです。
特別な事情がない限り、火災保険の契約名義は賃貸借契約者と同一で問題ありません。

契約者と被保険者が異なるケースとは

しかし、契約者と被保険者は必ずしも同一人物でなければいけないわけではありません。その代表的なケースが、契約者が未成年の場合です。
法律上、未成年が法定代理人(一般的に親)の同意なく行った契約行為はそれを取り消すことができると規定されているので、多くの場合、賃貸借契約は親などの名義でされます。同様の理由で火災保険の契約も親などの名義でされることになり、この場合は「契約者=親」「被保険者=未成年の子ども」という関係になります。賃貸借契約者と保険契約者が同一となり、被保険者だけが異なるケースです。
また、契約者、被保険者とも必ずしも個人である必要はありませんので、会社の寮や社宅などの場合には、「法人=契約者」「入居する社員=被保険者」とするケースもあります。

契約者・被保険者の権利と義務とは

契約者、被保険者にはそれぞれ権利と義務があります。

契約者の権利と義務

契約者は、対象となる保険について契約解約権(契約を解約する権利)や、保険料返還請求権(契約が解除された場合に返還保険料を受領する権利)を有します。その一方で、保険料を支払う義務のほか、申込み内容に変更があった場合の通知義務を負います。

被保険者の権利と義務

被保険者は、補償対象となる事故等が発生した場合に保険金を請求する権利を有しており、契約者と同様に通知義務を負います。

※詳細は保険約款をご参照ください。

まとめ

  1. 保険の契約には「契約者」と「被保険者」の関係がある
  2. 賃貸の火災保険では、契約者と被保険者が同一人物であることが多い
  3. 未成年や法人契約の場合は契約者と被保険者が別人となるケースもある
  4. 契約者と被保険者にはそれぞれ権利と義務が存在する(詳細は約款参照)